川崎vs名古屋「決戦の勝敗を分けたもの」(3)最終盤のマテウスに見た「名古屋の底力」の画像
マテウス(名古屋) 撮影/中地拓也

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5月4日、中4日での連戦となった“首位決戦”セカンドレグ。名古屋グランパスはしっかりと修正を施して、アグレッシブな戦い方で川崎フロンターレに迫った。相手の出方を見た川崎は、激しい中盤のプレスをいなしながら、決定的なリードを作り出す。それでも名古屋は鬼神のような攻撃で川崎を追い込んだ。サッカーの醍醐味が詰まったようなこの一戦を、サッカージャーナリスト・後藤健生はどう見たのか。

 ■前がかりのグランパスを山根視来が仕留めた

 こうして、前半はホームの川崎が1点をリードして折り返したが、後半に入るとキックオフ直後から名古屋は改めてプレッシャーを強めて、前がかりになって攻撃を仕掛けてきた。1点を追うチームとしては当然のことだろう。

 だが、ここでも光ったのは川崎の試合運びの巧みさだった。相手が前がかりになれば、スペースが生まれる。川崎はそこを狙って一気に得点を狙っていたのだ。

 50分、ハーフラインを超えて相手陣内に少し入ったあたりでボールの奪い合いとなり、最終的にDFの山根視来がボールをコントロールして、早いタイミングで左に展開。最後は登里享平のパスを受けた三笘がターンして、個人技でDFをかわして深いところまで持ち込んで、ゴールラインに並行のクロスを入れると、そこには攻撃の起点を作った山根が走り込んでいて追加点を決めたのだ。

 防戦が続いた中でも、DFの山根があの位置まで攻め込んでいたのが川崎らしいところだった。タイミングを見極めて相手ペナルティーエリア内に進入して自らゴールを狙うのは山根のストロングポイントである。先日の代表戦でも山根は絶妙のタイミングでの攻撃参加から韓国相手に先制ゴールを決めてみせたばかりだ。

 こうして、2点リードした川崎がさらにプレッシャーを強めたことで、名古屋のDF陣に決定的なミスが生じて、オウンゴールによって川崎のリードは3点に開いた。

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