【ラ・リーガ ビジャレアルvsヘタフェ 2021年5月2日(日本時間23:15キックオフ)】
ジェレミ・ピノに先制点を奪われると、ようやく久保建英に声がかかった。
0-0のままでは出番は訪れなかっただろう。今季の前半戦を過ごしたビジャレアルとの対戦となったこの試合での起用法は、久保の1年間を象徴するものになった。
ビジャレアルのウナイ・エメリ監督が冷遇したわけでも、ヘタフェのホセ・ボルダラス監督のスタイルとマッチしなかったわけでもない。どちらのチームでも、フィフティフィフティの状態で守備やチーム全体の安定感を欠くリスクをとってまで起用するほどではない選手、という評価を下されたのだ。
同点の状況で無理をして使うのは危険だが、ビハインドで攻めるしかないならば出してみようか、というこの試合での起用のされ方はその結果だ。ピノの先制点が79分、久保が入ったのは84分のことだった。
久保の境遇に同情する声は多かった。
ビジャレアル時代は、ヨーロッパリーグの試合で好パフォーマンスを披露し、エメリ監督がそれに満足している旨のコメントをしながらも、リーグでの出場機会が増えなかったことに対して、指揮官を批判する声は少なくなかった。しかし、及第点の活躍をした選手に対しての外に向けたコメントで監督が良く言うのは当たり前だ。