■得点力不足に悩むG大阪
得点力不足という点では、G大阪の方が深刻だ。何しろ、リーグ7戦を終えた現在、まだゴールは1つしか生まれていないのだ。
リーグ開幕戦を終えた後、クラブに新型コロナウイルス感染者が出たために活動休止に追い込まれた影響はかなり大きいだろう。前節の名古屋グランパス戦でも、まだ連係面のぎこちなさが見られていた。
宮本恒靖監督が選んだ解決策は、個での打開力だった。CBからパトリックへロングボールを入れ、手数をかけずにシンプルに相手ゴールに近づこうという算段だ。だが、パトリックが必ず空中戦で勝てるという保証はなく、セカンドボールの回収率も高くはない。今季チーム唯一のゴールを決めている宇佐美貴史という技術とアイディアのある選手はいるのだが、今はまだ、ピッチ上を漂うばかりだ。
それでも個人の打開を狙い続けていくしかないのが、過密日程における現状だ。名古屋戦の2点を追う終盤は、交代で入ったチアゴ・アウベスにボールを集めて突破を促し、レアンドロ・ペレイラとパトリックらブラジル人選手の連係でシュートにまでつなげていた。C大阪の守備組織に個の力で穴をうがつことができるかは、この試合でも大きなポイントになるだろう。
今後はさらに、合流したウェリントン・シウバも絡んで、攻撃の幅は増えていくはずだ。そのスタートが、このダービーにならないとは限らない。