■C大阪の「ジョーカー」
C大阪でも1カ月前にタガードが合流したが、こちらでもっと楽しみな「新鮮力」は、ともに今季J1デビューを飾った20代前半の2人だろう。その2人が、第9節のアビスパ福岡戦ではそろって交代出場からゴールを決めて見せた。アカデミー出身の中島元彦は、強烈なミドルシュートを叩き込み、加藤陸次樹は一気にトップギアに入れる加速で最終ラインの裏を突いてクロスを呼び込んだ。このダービーでも、重要な切り札になる可能性がある。
もう一人、触れておきたいのが奥埜博亮だ。ロティーナ監督の下では前線で起用されていたが、今季は中盤に戻ってチームを支えている。1試合あたりの走行距離は13キロ越えが当たり前といったタフネスぶり。攻撃ではドリブルを交えてビルドアップの潤滑油となり、守備ではまさにボックス・トゥ・ボックスと呼ぶべき働きぶり。そのプレーに、レヴィー・クルピ監督も称賛を惜しまない。G大阪の個を封じるには、奥埜の献身が欠かせない。
布陣はおそらく、ともに4-4-2のフォーメーションを敷いてくるはず。同じシステムにそれぞれの哲学を詰め込んだ激突で、大阪の街にエネルギーを届ける。