■青赤の悩みどころは2つのポジション
ただし、このチームの“後方”はやや形を変えることがある。カギを握るのは、森重真人だ。センターバックとして印象が強いこの元日本代表は、足元もうまくて配給もできる。そのため、最終ラインの前でアンカーとして置かれることが昨年末より増えていた。これによって、チームとしての守備力が格段に上がった。ソリッドなカウンターを発動するには、まず、相手のボールをうばう必要がある。その観点から、森重のアンカーは、青赤にとってとても有意義な選択肢なのだ。今季も、センターバックとアンカーの2つのポジションで起用されている。
とはいえ、今季はここまで4勝3分4敗と勝ち負けを繰り返している。17得点18失点という、守備の不安定さが結果にダイレクトに結びついている。元ブラジル代表のDFブルーノ・ウヴィニがすでにチームに合流しており、どの時点で先発起用するかにもよるが、森重の起用法は試合の行方を左右する大きなポイントだ。
また、負傷で離脱した中村帆高の右サイドバックをどうするかも重要なポイントだ。本職としては中村拓海がいるが、中村拓の特徴は攻撃にある。守備から立て直しを図りたい中で、長谷川健太監督はどのような選択をするか。前節・鳥栖戦ではセンターバックが本職の岡崎慎をここで起用したが、まったく機能しなかった。結局、最初の45分で交代してしまっている。
堅い守備と縦に速い攻撃は、言うほど単純ではない。