■前線の選手不足で迎えるGWの過密日程
相馬監督に残された選択肢は、土井、19歳の染野、20歳の松村の3人。エヴェラウドと上田が180センチ超えの身長だったが、土井は172センチ、染野は179センチ、松村は173センチ。前線に高さがなくなることから、浮き球のクロスを用いた戦い方は難しくなるはずだ。
ただし、染野と松村が先発したルヴァンの札幌戦では3ゴールを奪っており、その内訳は松村、荒木遼太郎、白崎凌兵が1得点ずつ。2列目の選手2人が得点を奪っており、こうした形をさらに強める必要がある。
ただ、懸念点は“裏への意識”と“推進力”の部分だ。上田は裏に抜けようとする意識と技術が高く、これが相手最終ラインのピン止め効果を担っていた。また、エヴェラウドの推進力は、それ自体の攻撃力はもちろん、鹿島の選手の上がりを促していた。この2つを同時に失うことで、選手としてはやりづらさを感じる可能性はある。
さらに、過密日程も問題となる。4月28日のルヴァン・鳥栖戦、5月1日のJ1・横浜FC戦、5日のルヴァン・福岡戦、9日のJ1・FC東京戦、12日のJ1名古屋戦と、15日のJ1横浜Fマリノス戦と、GWを挟んでかなりの公式戦が立て続けに予定されている。エース2人が戦線を離れている前線の選手のやりくりは、相馬監督の頭を悩ませそうだ。
現在、鹿島の順位は13位。リーグ総得点は12で、1試合平均にすると1得点ちょうど。相馬監督は最初の苦境をどう乗り越えるのか、注目したい。