■スーパーリーグの問題点が如実に
スーパーリーグが抱える問題の1つに、15チームは固定、というものがある。声明の中で、国内リーグは引き続き戦う、と明言しているスーパーリーグ側だが、ここでは出場権を獲得する必要がないことが国内リーグにどういう影響をもたらすだろうかについて考えてみよう。
まず、勝たなければいけない試合、というのが減る。順位が6位でも7位でも、あるいは残留争いに巻き込まれたとしても、毎年出場権を失うことがないスーパーリーグが十分な富をもたらしてくれる。最終的に優勝争いを繰り広げていない限り、無理をする必要はなくなる。死に物狂いで1つでも上の順位を求めることがなくなった戦いに魅力はなくなる。
本気の競争が失われるだけではない。
国内リーグの先にチャンピオンズリーグがある、という現在の構図が崩れることは、国内リーグを衰退させるだけでなく、サッカー界全体を衰退させることに繋がる。戦力的に劣るクラブがどうやって本気のビッグクラブに対抗し、ビッグクラブがその工夫をどう上回り、そこから更に互いに戦い方がアップデートされ……という戦術面での進化が滞ることは、サッカー界全体のレベル低下をもたらすからだ。
だからこそ、最終的にコーナーキックからの意地の一発でもなんでも、この試合でリーズが引き分けてみせた意味は大きい。これによって、サッカーで何が大切にされるべきなのか、という本質の部分がさらにフォーカスされ、反対の声はますます大きくなるだろう。
だから、世界中の『サッカーファン』はこう思っているはずだ。
リーズ、よくやった!
■試合結果
リーズ・ユナイテッド 1―1 リバプール
■得点
31分 サディオ・マネ(リバプール)
87分 ディエゴ・ジョレンテ(リーズ・ユナイテッド)