■「僕らは本物のチーム」

 残り10分を切り、ボックス内から放たれたレロイ・サネのシュートに冷や汗を流した。パワープレー要員として送り込まれた身長190センチのハビ・マルティネスにも、起点にさせまいと厳重な監視を続けた。そしてついに、0-1での敗戦という歓喜をつかんだのだ。

 この試合でキャプテンマークを巻いたプレスネル・キンペンベと、マウリシオ・ポチェッティーノ監督は、同じキーワードを口にした。「難しい試合だった。僕らは負けてしまったけれど、チームとしては素晴らしいパフォーマンスだった。とても誇らしく思う」(キンペンベ)。ポチェッティーノ監督は、「天才」と評するネイマールらを活かすことが大事だとしつつ、「自分たちが本物のチームだと感じられるようになることが、私たちにとっての挑戦なんだ。現時点で、その点についてはとても満足している」と語った。「僕らは本物のチームなんだ。全員を祝福しなければいけない」。ネイマールも、そう感謝を口にした。

 勝利の権化のようなバイエルンは、他チームにとって高い壁だが、乗り越えられたならば得られるものは大きいのかもしれない。2016-17シーズンには準々決勝、2017-18シーズンには準決勝で、それぞれバイエルンを下したレアル・マドリードは、そのまま頂点へと駆け上っている。2018年5月のファイナルでそのR・マドリードに敗れたリバプールは翌シーズン、ラウンド16でバイエルンを下すと「あと一歩」を踏み出して、ビッグイヤーを手にしている。

 勝負の世界で、結果はいかなる矛盾をも飲み込む。現王者を相手に、昨季決勝のリベンジを達成。PSGは、まさにチーム一丸となって悲願達成へと歩みを進める。

■結果

パリ・サンジェルマン 0-1 バイエルン・ミュンヘン
(2戦合計3-3 アウェイゴール数でPSGが勝ち上がり)

■得点

40分 エリク・マクシム・シュポ=モティン(バイエルン)

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