■「天才」たちを支える仲間たち
そして、このタレントを活かす仲間の存在がある。
ネイマールとムバッペとともに「ファンタスティック4」の一角を担ってきたアンヘル・ディマリアは、この日もポイントを押さえたプレーでアクセントをつけていた。オフサイドの判定となったが、30分の1人をかわしてのタテ突破からのスルーパス、後半開始7分後のゴール前でのネイマールへの絶好球のプレゼントと、違いをつくれる能力を証明していた。さらには守備にも汗をかき、相手の後方からパスをかっさらうプレーも見せていた。
さらに、その攻撃陣を信じて、体を張り続けた選手たちがいる。
1点を失った後の時間が、どれほど長く感じられたことか。あと1点を献上すれば、勝ち上がるのはバイエルンになっていたかもしれない。ネイマールらがつくり出すチャンスは、期待の大きさの分だけ逸機の際には落胆が強くなる。それでも集中を切らすことなく、実直に守り続けた。
サイドでは1対1の突破に必死に食らいつく。先制された3分後には、ダビド・アラバの無回転シュートを、GKケイラー・ナバスが横っ飛びで弾き出した。後半に入っても、左右に大きく揺さぶられてゴール前に送られたボールを、間一髪でかき出す選手がいた。このピンチを防いだのは、中盤からダッシュで戻っていたレアンドロ・パレデスだった。攻められるほど、イドリサ・ゲイェは高いボール奪取力で存在感を高めた。