■サヴィオが報われた試合だった
そういう細かい部分で気が利き、チームのマイナスを補う働きが目立つことから、そうした役割を期待されるサヴィオだが、それらはあくまでもチームのために身を捧げる場面。真価を発揮するのは、ボールを持った時だ。
抜群のボールコントロールでロストせずに前進することができ、江坂任と同じビジョンでボールを受け、出すこともできる。もちろん、プレスバックは欠かさない。
ボランチではなく前線で起用され、水を得た魚のように本来の自分の良さをいかんなく発揮して柏の希望となったこの日のサヴィオに送られた万雷の拍手は、これまでの献身を見てきた柏サポーターの感謝と安堵を多分に含んだものだった。ドッジ、アンジェロッティ、ペドロ・ハウル、エメルソン・サントス、と4人もの新戦力が合流しようとしているチームにおいて、サヴィオの頑張りが報われる試合が早く訪れてほしいと思っていたサポーターはようやく胸をなでおろし、ますます彼のことを好きになったに違いない。