■重要な試合での敗戦が続くトッテナム
ジョゼ・モウリーニョ監督が率いるチームはこの敗戦により、残り7試合でチャンピオンズリーグ出場圏まで6ポイント差となった。ユナイテッドがチームとしての試合に対する姿勢の統一を見せて好調なシーズンを過ごしているのとは対照的に、トッテナムはちぐはぐさが否めない。
それはハリー・ケインとソン・フンミンのコンビに頼りきりの戦い方そのものが問題なわけではない。強力な前線に攻撃を託してあとは守りきる、というやり方は1つの立派な戦い方だ。問題は、その戦い方が可能な選手が揃っているのか、ということだ。
先月、ヨーロッパリーグでディナモ・ザグレブに大逆転負けで敗退した際、モウリーニョ監督は「チームは重要な試合をしているように見えなかった」とこぼした。2月のマンチェスター・シティ戦、先のザグレブ戦、アーセナルとのダービーマッチ、そして今回、と重要な試合で負けてしまうということが繰り返されている。
たしかに2番手気質な選手が多いのかもしれないが、選手に迷いをもたらしているのはモウリーニョ監督自身の采配によるところが大きい。選手層が薄い今のトッテナムで以前のように堅守を築くことは難しいが、理想のフォーマットを保ったまま選手を強引に当てはめようとしている。
この試合で途中から投入されたムサ・シソコがポール・ポグバを全く止めることができなかったことがちぐはぐさを象徴している。自身の良さを消さなければならない起用のされ方をして、結果を出せずに悪循環にはまっていく。そうなれば試合に対する態度や姿勢で相手を上回ることはできなくなり、重要な試合で勝てなくなる。