【ラ・リーガ ヘタフェvsカディス 2021年4月10日(日本時間21:00キックオフ)】
試合前の時点でヘタフェは勝ち点31。同33のカディスの対決は、互いに降格圏(18位エルチェが勝ち点26)から離れたい一戦だった。
前節のオサスナ戦も同じ状況だった。負けないことを優先させて試合に入ったヘタフェにおいて、久保建英の出番は僅か10分だった。しかも、久保がボールに触ることがないままチームは最終的に引き分け狙いにシフトした。ホセ・ボルダラス監督はアディショナルタイムに時間稼ぎの交代を行ってスコアレスドローで試合を終えることを自ら選んだ。
ところが、今回は久保がスタメンに抜擢された。しかも、これまでと様子が違うシステムだった。マルク・ククレジャ、カルレス・アレニャ、そして久保という加入当初にお馴染みだった3人組が2列目を形成するのかと思いきや、カディスの攻撃になると久保は2トップのように最前線に位置して試合の行方を見守っていた。つまり、守備の免除だ。
攻撃でも右サイドだけではなく、アレニャと場所を変わって中央にいることもあれば、守備時のまま最前線にいることもあった。
守備の免除、しかも攻撃時には前線で自由に動くことができる、という自分のプレーに専念できる環境を与えられた久保は7分、右サイドでボールを持つとテクニックで駆け引きを制し前進。クロスはディフェンダーに当たってしまったが、調子の良さを窺わせる幸先の良いスタートとなった。
18分には体を張ってボールをキープする姿もあり、守備の免除が良い方向に働きだした。攻撃でプレー機会がしっかりあったことで、守備に自ら積極的に参加する場面も増えていった。