■身体能力だけ、あるいは技術だけでは勝てない
また、女子サッカーそのものの扱われ方が各国で改善され、強化が進むようになったこともその変化を加速させた。
強い部分を押し出して単純に戦うだけではなく、そのフィジカルを下地に男子サッカーと同じような戦術を取り入れることがトレンドになり、身体能力だけ、あるいは技術だけでは勝てない競技になっている。
日本の女子サッカーは再び欧米を追いかけることになったが、もともと体の強さに優れている欧米各国がアスリート化の進む男子サッカーと同じような戦い方を選んでいることは、以前よりも差を縮まりにくくしている。
これは再び世界一を目指す日本にとって苦しいことだが、男子サッカー・女子サッカーではなく、サッカー、という括りで同じような課題があることは競争として健全な状態とも言える。
そんな中、日本ではプロリーグであるWEリーグが発足する。プロ化を果たしたことでより細かい戦術的なぶつかり合いが増え、欧米を上回るようになれるきっかけになることも期待されるが、プロリーグの存在意義はそれだけではない。