■オリンピックが終わったら、新しい衝撃が始まる
オリンピックでの活躍も楽しみだ。だがそれが終われば、田中はいきなり欧州のトップクラスのリーグでプレーするようになるのではないか。たとえばバイエルン・ミュンヘンに行っていきなり活躍し始めても、私は驚かない。そして何より、オリンピックが終わったら、本格的な日本代表でのプレーが始まる。来年のワールドカップでは、遠藤航と田中がボランチのコンビを組み、日本の攻撃を活性化する姿が見えるようだ。
「碧」と書いて「あお」と読む。1998年9月10日、田中が生まれた日は、すばらしい快晴だった。残暑は厳しかったが、それでも空の高さには、明らかに秋の気配があった。初めての子どもに、父は別の名前を用意していたらしい。しかしあまりに美しく輝く青空を見て心を変え、「碧」と命名したという。
いま、その碧が日本のサッカーに衝撃を与えている。そして遠くない未来に、その衝撃は世界に伝わるはずだ。「碧の衝撃」が、日本代表の「青の衝撃」となって、ワールドカップの舞台で輝く日を楽しみにしたい。