【国際親善試合 日本代表vs韓国代表 2021年3月25日】
後半、南野拓実が惜しいシュートを2本打った。日本代表の背番号10のビッグチャンスの鍵となったのは、縁の下の力持ちのプレーだった。
南野は49分、70分とボックス内に侵入し、ともに右から来たボールを最終的にシュートにつなげている。その展開のみならず、2つのシーンに共通したのは右へと流した選手の存在だ。中盤の底から飛び出していた遠藤航である。
49分には相手ボックス手前で激しくボールを奪い取って右へと展開した。70分の場面では、微妙に長い距離ではあったものの、ルーズボールへ向かって一気にダッシュし、スライディングしてきた相手より一瞬早くボールに触れて大迫勇也へと渡した。スタートを切る瞬時の判断がなければ、生まれていないシュートシーンだった。
この試合、中盤の底でコンビを組んだのは、遠藤と守田英正だった。昨年の日本代表戦4試合で、中盤の底に入り続けたのは柴崎岳。柴崎は今回招集されなかったが、先発した2人は十分に新たな可能性を感じさせた。
韓国代表のシュート数を、90分間を通じても6本、前半は1本に抑え込んだ。そこには、このコンビの働きも大きく寄与していた。
パスコースを消し、縦パスを入れさせない。攻撃している際にもアラートを解かないのが遠藤で、15分に韓国がパスカットして反撃に移る場面をすばやく止めた。日本が1タッチで流したパスを拾われたのだが、その間に遠藤は素早くポジションを移動して、パスの受け手を捕まえていたのだ。
50分には、上がってきた右サイドバックに対して、守田が流れて対応。ゴールライン近くまで食らいついてボールを下げさせた。その間、遠藤も相棒の動きに合わせてポジションを取っていたのだが、逆サイドへの監視も怠らない。相手が下げた後の展開にも対応し、見事な寄せからボールを奪い取っていた。