■「カズは僕らのキング、王様だった」

——あのチームには、あなたの他にも、カズ、中田英寿、名波浩、井原正巳、川口能活など、今でも、日本サッカーのレジェンドとみなされる選手達がいました。

「すごく強いチームだった。僕の家にいろいろな写真があって、トロフィーの棚に飾っているんだけど、あれを見ていると、あの代表チームの一端を担えたことは、神の祝福だと感じるんだ。

 というのも、最初は加茂サン、次に岡田サンのもとで、これほど愛する国を代表するチャンスを得られたんだから。W杯と、そのアジア予選で、ゴールによって貢献することができた。

 だから、すごく名誉に思うし、あのチームにいられたことを、誇りに思う」

——選手同士の関係はどうでしたか?

「みんなとの良い想い出がたくさんある。

 僕の名前は呂比須だから、みんな、僕を『ロペ』と呼んだんだ。でも、名波はいつも『ピーヨロ』とか『ロペちゃん』って呼んで。

 だから“(※日本語で)何言ってんだ、お前、俺は年上だぜ!”って(笑)。僕らは、すごく仲が良かったんだ。

 ヒデはもっと遠い存在だった、というか、もっと真面目なタイプだった。桁外れのタレントの持ち主で、僕が一緒にプレーした中でも、最高の選手の1人だ。パワーがあって、技術力があった。19歳、20歳の頃だったのに、すでにベテランのようだった。

 長い年月を経た後で、井原サンとゴルフをしたこともあるよ。あの当時は僕らのキャプテンだった。ゴルフをしながら、あの頃の話をしたものだ。彼はいつでも、とてもポジティブで、すごく良いリーダーシップを発揮するキャプテンだったんだ。

 カズは僕らのキング、王様だった。日本代表を、代表する選手。ゴールゲッターで、スピードのあるドリブラー。

 平野(孝)というスピードのある選手もいた。岡野(雅行)もスピードがあった」

PHOTO GALLERY 表情豊かな呂比須
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