■「岡田サンは僕を叱ったんだ。“あそこでゴールを決めなきゃいけなかったのに!”って(笑)」
——その喜びにもかかわらず、岡田監督は勝利の瞬間も、険しい表情をしていました。
「そう、岡田サンは、当時の状況をとても心配していたんだ。あの頃、すごく報道されていたんだよね。日本はもう予選突破できない、突破の可能性は20%しかない、25%しかない、このチームでは無理だ、とね。
選手はそれほど考えないものなんだ。監督が何を決断し続けているのか。誰をどう起用し、どういう戦略でいくか、Aプランか、Bか、Cか…とね。
でも、選手を引退した後には、監督の役割というのが、どれほど難しいかを理解し始める。だから、監督になるために勉強する。僕も今は監督だから分かるよ。なぜ、彼が勝ってなお、険しい顔をしていたか。
で、ロッカールームに戻った時、みんな幸せで、僕もおめでとうを言ってもらえるかと思ったんだけど、岡田サンは僕を叱ったんだ。“あそこでゴールを決めなきゃいけなかったのに!”って(笑)。
“”(※日本語で)チャンスがあったんだよ!3点目を取れば、楽な勝ちになったよ!”
だからも“いや、次は決めるよ”って(笑)」