昨季は王者だったリヴァプールを決勝トーナメント1回戦で破った。試合後、ユルゲン・クロップ監督が「なぜあれだけのクオリティの選手がいてあのプレースタイルなのかが分からない」と語ったように、肉弾戦を仕掛け、堅守速攻でリヴァプールを撃破した。
リヴァプールを下した後、アトレティコはライプツィヒに屈してベスト8で敗退した。だが今回の敗戦は2018-19シーズンのユヴェントス戦を思い起こさせる。決勝トーナメント1回戦、ファーストレグで2-0と勝利しながら、セカンドレグで0-3と逆転された試合だ。
そのセカンドレグで【4-4-2】を敷いたシメオネ監督に対して、マッシミリアーノ・アッレグリ監督は攻撃時にエムレ・ジャンを最終ラインに下げて3バックを形成した。前線からのプレスが嵌まらず、サイドで数的優位をつくられ、クリスティアーノ・ロナウドのハットトリックで勝敗が決した。
シメオネ監督はアッレグリ監督やトーマス・トゥヘル監督のようなタイプの指揮官に弱い。戦術家で、修正力がある監督たちだ。選手の適正と配置でプレー強度を無効化されると、シメオネ・アトレティコには戦う術がなくなってしまう。