【CL分析】レアル・マドリード「カゼミーロの穴」を埋めた「3つのポイント」と周到なジダン戦略の画像
先制点を決めたカリム・ベンゼマ(レアル・マドリード) 写真:ロイター/アフロ

UEFAチャンピオンズリーグ ラウンド16 2ndレグ レアル・マドリードvsアタランタ 2021年3月16日(日本時間29:00キックオフ)】

 難敵アタランタに対し、個で勝つ、という魅力を見せたレアルが格の違いを示してベスト8進出を果たした。

 カゼミーロが不在の影響をどうするか、ということがポイントだったレアルは、代役を用意するのではなく別の形でそれをカバーした。ポイントは3つあった。

 1つ目は、3バックの採用だ。相手の攻撃に対して素直に5バックになり、アタランタが簡単にはゴールに迫れないようにした。

 2つ目は、フェデリコ・バルベルデをポジションに関係ない動かし方をしたことだ。フリーマンとしてボールに近い位置に動く、というそのポジショニングによって、攻守の切り替えのタイミングで強度が保たれることになった。

 そして3つ目。これこそがこの試合の決め手であり、圧倒的な個の質の高さによってのみ可能なことで、トニ・クロースルカ・モドリッチがいるレアルだからこそ成り立つ戦い方だった。

 マンツーマンかつハイプレスのアタランタの守備に対し、クロースとモドリッチが低い位置でボールを奪われずに相手を剥がすことで、ズレが発生していった。そこで奪われてしまえば一気に大ピンチを招く、というところで決して奪われない圧倒的な技術の高さ、そして絶対に奪われないという圧倒的な自信がなければできないことで、この2人でなければ墓穴を掘るやり方だった。

 そのプレーによってズレが生じたアタランタはマンツーマンの受け渡しで苦労するようになり、レアルは苦しまずに動けるようになった。

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