17分、左サイドで奥川雅也のプレスバックからボールを奪うと、さらに味方から受け取った奥川がキープして、前に繋いでいく。そのボールを右サイドで受け取ったクリスティアン・ゲバウアーが、ゴール前に折り返すと、飛び込んできたのは堂安律。オランダの強豪PSVからレンタルで加入中の日本人MFは、左足を出して点で合わせ、レバークーゼンからゴールを奪う。ビーレフェルトを率いるフランク・クラマー監督からすれば、してやったりの瞬間だろう。

 この試合で堂安は、2トップの一角として先発した。より正確に言えば、守備的な[4-4-2]の2トップの一角として先発したわけだが、このポジションにがっつりとハマった。

 まず、屈強なフィジカルを活かして敵にプレスを掛け続けることができる。既にシメオネのアトレティコが示しているように、このスタイルを表現するにはハードワークが基本だが、守備面でも献身的な堂安は、プレッシングの先鋒にピッタリだ。また、オランダからやってきた日本代表MFは、チームを引っ張ろうとするメンタリティの持ち主でもある。その意味でも、ディフェンシブな[4-4-2]の2トップの一角に相応しいと言えるだろう。

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