■チームとしての守備のクオリティは保った

 つまり、エバートン、リーズ、アトレティコと難敵との対戦が続く「過密スケジュールの中で」メンバーを入れ替え、「選手たちに負荷をかけ過ぎずに」ハフェルツの偽9番起用という「新しいアイデア」を導入することが、「チームの成長のために」なる。

 たしかにメイソン・マウント、ハキミ・シエシュ、クリスティアン・プリシッチ、そしてハフェルツという見慣れない組み合わせの攻撃陣は、リーズからゴールを奪うことはできなかった。だが、48分にトップの位置でボールを貰ったハフェルツが自らGKと1対1の局面に持ち込むなど、このドイツ代表アタッカーの偽9番は可能性も見せている。

 そして何より、これだけ選手が入れ替わっていながら、チームとして守備のクオリティは落ちなかった。新体制になってから12試合で1失点と堅守を誇るチェルシーだが、このリーズ戦でもプレスの強度や攻守の切り替えの質が落ちることはなかった。多少のメンバーの入れ替わりがあったとしても、難敵相手に負けないだけのクオリティを維持できたということは、リーズとの痛み分けも「成長」の証と言えるだろう。

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