【CL分析】ユベントス対ポルト「延長大熱戦」の結末は「1点を超える重み」の画像
ポルトガル代表のぺぺ(ポルト)と握手をかわすクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス) 写真:AFP/アフロ

UEFAチャンピオンズリーグ ラウンド16 2ndレグ ユベントスvsポルト 2021年3月9日(日本時間29:00キックオフ)】

 6-3-1になって守るポルトに対し、中央からの攻撃ができないユベントスは低い位置からのクロスボールで打開を試みたがなかなか実を結ばなかった。次第にフェデリコ・キエーザとファン・クアドラードの両翼は個人での突破を狙うようになったが、ボールを奪われてカウンターのピンチを招く結果にしかならなかった。

 特にクアドラードは中盤から最終ラインの左に加わったオタヴィオの守備に苦しめられただけでなく、カウンターで一気に前に出てくる左サイドバックのザイドゥ・サヌシに1vs1で上回られてしまい、役割を果たせなくなっていた。

 機能不全に陥り、さらに18分にPKで1点を失って最低2点が必要になったユベントスだったが、前半のうちに大きく動くことはなかった。それはポルトに次の1点が入れば4ゴールが必要になってしまうからだった。慌てることなく、90分が終わった時に敗退していなければ問題ない、という姿勢だった。

 後半、メンバーに変更はなかったユベントスだが、前半にはなかった攻撃パターンを見せた。

 49分、センターバックのレオナルド・ボヌッチからペナルティエリアまで中央を縦に切り裂くフィードが蹴られると、クリスティアーノ・ロナウドが落としてキエーザがフィニッシュ、ようやく中央からの攻撃を見せるといきなりゴールを奪った。

 54分にはポルトのメフディ・タレミが退場し、これが試合の流れを決定的なものにした。52分に1枚目のイエローカードを受けたばかりのタレミだったが、レフェリーがホイッスルで試合を止めた後にボールを大きく蹴り出したことで退場となったことは、味方も擁護できないものだった。

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