この危険なストライカーは、同じ動きを繰り返し、最後は仕事を果たしてみせた。1点ビハインドのまま、残り5分を切った場面である。ペナルティエリア前にぽっかりと空いたスペースを、ベンゼマは見逃さなかった。パスが入った瞬間、それまで懸命に守備に走っていたコケの反応が遅れた。コンドグビアの寄せも遅く、ベンゼマには「十分」な一瞬を与えてしまった。カゼミーロに出した後も足を止めず、見事なワンツーからゴールを射抜く。それまでビッグセーブを見せていたGKヤン・オブラクも、お手上げだった。
アトレティコはまだ、首位に立っている。他チームより消化試合数が1つ少ない状況で、2位バルセロナとは勝ち点3差。3位レアルには5ポイント差に詰め寄られた。策略と才気にあふれた首都決戦で両者が分けた勝ち点は、リーガの今後をどう書き換えていくだろうか。
■結果
アトレティコ・マドリード 1-1 レアル・マドリード
■得点
15分 ルイス・スアレス(アトレティコ・マドリード)
88分 カリム・ベンゼマ(レアル・マドリード)