【ラ・リーガ セビージャvsバルセロナ 2021年2月27日(日本時間24:15キックオフ)】
メッシが、走った。43分のことだ。ドリブルに移った相手に必死に追いすがり、後ろから倒してファウルを取られた。
メッシが、警告を受けた。前述の2分前のシーンだ。最前線で激しく守備をして、相手DFを踏んでしまった。
3位のバルセロナは、勝ち点2差で追ってくるセビージャのホームへ乗り込んでいた。今月上旬、コパ・デル・レイ準決勝ファーストレグにて、0-2で敗れている相手だ。
その「リベンジ」を狙ってか、バルサは通常の4-2-3-1から3-5-2へとフォーメーションを変えていた。両ウィングバックは高い位置を取り、幅を広く使ったプレーを展開できていた。
もうひとつ、目についた変化がある。ハイプレスだ。3バックを担保として、前線から激しくプレッシャーをかけていく。セビージャに自由なプレーをさせず、シュートへ持ち込むことを許さなかった。
そして、メッシである。2トップの一角ではあるが、自由にピッチをたゆたう。自分のガソリン搭載量と燃費を熟知しているかのごとく、無駄にエネルギーを消耗しない。2トップの相棒、ウスマヌ・デンベレやフレンキー・デ・ヨングが足を止めずにピッチを駆ける間、「働き時」を探っていた。
その瞬間を、メッシは逃さなかった。29分の場面だ。セルヒオ・ブスケッツがボールを奪った時、メッシはハーフウェイライン付近にいた。縦パスを受けると、すかさずタイミング、強さ、出しどころも完璧なパスを送る。斜めに走り込んだデンベレはトップスピードでのランデブーに成功し、GKとの1対1をものにした。