■鎌田のゴールにチームメートのヨヴィッチが抗議?
この試合の先制ゴールは、アミン・ユネスとフィリップ・コスティッチが左サイドを崩し、そこからのグラウンダーのボールを鎌田が決めたという形だった。ボールが送られたペナルティエリアの中央ではルカ・ヨヴィッチが駆け引きに勝利し、ディフェンダーを外してフリーで待ち構えていたが、鎌田がその手前で2つの意味でゴールを奪ったように見えるシーンだった。満面の笑みで喜ぶ鎌田に抗議してみせたヨヴィッチは、しょうがないなぁ、と肩を抱き、頭を撫でた。
時間をほんの少しだけ戻して左サイドを崩した瞬間に注目すると、鎌田はユネスがコスティッチにパスを出すのと同時に、パスを要求しながら走り出していた。ボールはヨヴィッチではなく正真正銘、鎌田に送られたものだった。ヨヴィッチもボールが縦に進んだことでほぼ同時に動き出していたが、先にパスを予約した鎌田の勝ちだった。鎌田の判断の速さがわかるシーンだった。
ヨヴィッチも、目の前でゴールを決められはしたものの本気で怒っているわけではない。鎌田に出されたパスだというのはもちろんわかっている。抗議のジェスチャーは、ここまで4連勝中だったチームの雰囲気が良いことを伝えることになった。