■チームはほぼ6試合ノーゴール

 シュートがゴールに入らなくても良いし、コーナーキックになってチャンスが続けばより良い。ただボールを取られただけでは、わざわざ最後の10分間で守備を犠牲に起用された意味がなくなってしまう。チームの負けが続き、ミスが悪目立ちする悪循環に陥っている今の状況では、ゴールを決める意思があるのか、何のために起用されたか理解しているのか、と疑問に思われてしまう。

 リスクを覚悟して起用した選手が、ドリブルで相手を抜いてゴールを奪う、という難しい選択肢をわざわざ選んで失敗する選手ならば、リスクを負わずに単純に前に向かってボールを蹴るだけの選手がいい。ヘタフェはそういう選択の仕方をするチームになってきている。

 しかし、こんな状況でも、相変わらずチームにゴールが生まれていないことでまだチャンスが与えられるだろう。アスレティック・ビルバオ戦で1点を奪って以来、5試合連続でゴールがない。ビルバオ戦の1点が開始18秒でのものだということを考えれば、ほぼ丸々6試合ノーゴールだ。

 誰かがゴールを決めるまではチャンスが与えられる。もしそれを決めるのがニョムならば、久保にとって最悪の展開だ。決められる前に自分で決めるしかない。そういう意味でも、あの場面では無理やりにでも不完全でもシュートを打つべきだった。

 シュートを打てば何かが起こる。

 ヘタフェでのデビュー戦で思い切りよく打ったシュートがどうなったのかを、ファンは覚えている。


■試合結果

レアル・ベティス 1―0 ヘタフェ

■得点

84分 ボルハ・イグレシアス(レアル・ベティス)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4