■1人使うならアレニャ、久保は10分が限度
1人だけ使うならば久保ではなくアレニャ、守備のリスクを負って久保を使うのは10分が限度、など、この試合の久保の起用は様々な悪い見方ができる。
ここで最も重要視すべきなのは、ヘタフェがとうとう残留争い真っ只中の戦い方、つまり勝ちよりも引き分けを目指すことを選ぶようになってきているということだ。
久保が加入した時、ボルダラス監督はアレニャとのコンビに攻撃を託すことを目指していた。それが途中で久保とアレニャを下げて引き分けを狙う戦い方を選ぶようにシフトし、ベンチスタートにしておいて0-0で後半途中まで過ごしてから投入するようになり、とうとう同時起用をやめた。
こうして出場時間が10分にまで短くなった久保だが、この試合を84分のPKで落としたことで、ボルダラス監督はますます終盤の守備強度を下げないことを重視するようになるだろう。引き分けで十分だったのだから、徹底的に試合を終わらせに行くやり方を選べばよかった、と思われても仕方がない。
PKに関して久保は悪くなかったが、印象を悪くするプレーを見せて、試合を終えてしまった。
91分、ようやくゴールに向かってドリブルを仕掛けることができた久保だったが、ペナルティエリアの2人のディフェンダーにボールを引っかけられ、ロストしてしまった。
これが前半や同点の後半30分であれば問題ない。チャレンジすることは大切だ、で終わる。しかし、ビハインドの後半アディショナルタイムだ。突破できなければせめて強引にでもシュートを打たなければならなかった。