J2から殴り込み!(1)徳島、ポヤトス新監督と強力新外国人2人が開幕絶望的…主将・岩尾憲のダンコたる決意!【J2のミカタ特別編】の画像
ダニエル・ポヤトス新監督(徳島ヴォルティス)    写真:REX/アフロ

■監督交代でも主力残留で方向性は変わらない

 今シーズンのJ1は、かつてないサバイバルとなる。いつもより2チーム多い20チームで開催されるため、下位4チームがJ2へ自動降格となるのだ。J2から昇格した徳島ヴォルティスアビスパ福岡の2チームには厳しい視線が注がれているが、両チームの仕上がり具合はどうだろう。

 徳島は指揮官リカルド・ロドリゲス浦和レッズへ去ったものの、主力選手はほぼ残留した。そのうえで、8人の新戦力を獲得した。

 昨シーズンの徳島は、リーグ最多2位の得点と、リーグ最少2位の失点を記録した。攻守のバランスに優れていたチームだが、軸足は攻撃にあった。

 GK上福元直人も含めて自陣からビルドアップをはかり、ハイプレスをかけられてもすぐにはロングボールを蹴らない。相手にプレスを辛抱強く剥がしていき、2列目の西谷和希渡井理己杉森考起らが積極的に仕掛け、1トップの垣田裕暉だけでなく多くの選手がフィニッシュに絡んでいった。両サイドバック(あるいはウイングバック)も、攻撃の仕上げに関わっていった。

 ダニエル・ポヤトス新監督のもとでも、基本的なスタイルは変わらないはずである。一方で、J2からの昇格クラブという立ち位置を考えると、昨季と同じように主導権を握るのは難しい、との想定も成り立つ。

 チームの編成も、手堅い戦いをイメージさせる。セルビア人CBドゥシャン、ブラジル人SBジエゴ、それに新加入のブラジル人CBカカと、守備のポジションに3人の外国籍選手を揃えている。

 J1で戦っていくうえでは、組織力とともに「個人で問題を解決できる」タレントが不可欠だ。186センチのドゥシャン、187センチのカカの両CBは、それぞれの強みを生かして守備を引き締める役割を担うだろう。

 東京ヴェルディから獲得したボランチの藤田譲瑠チマは、ボールアプローチが素早く、取り切る強さを持つ。東京Vではアンカーを定位置としてビルドアップにも関わっていただけに、ポゼッションスタイルにもマッチする。徳島の方向性にはマッチするタレントだ。プロ2年目の19歳はJ1初挑戦だが、出場機会を得ていきそうである。

  1. 1
  2. 2
  3. 3