■『ヘタフェの状況』
前節退場になったセンターバックのキャプテン、ジェネ・ダコナムは出場停止だが、最終ライン全体が穴になっている現在のヘタフェにとって、それは大した問題にはならないだろう。
予想されているフォーメーションはマルク・ククレジャ、カルレス・アレニャ、久保を2列目に並べた4-2-3-1だが、強豪相手となったアスレティック・ビルバオ戦とセビージャ戦でキックオフ直後からイレギュラーなことをして先手を打とうとしたホセ・ボルダラス監督が、レアル相手にどんな秘策を用意してくるのかにも注目だ。
セビージャ戦ではクチョ・エルナンデスが復帰を果たしており、久保とのCuKuコンビが復活する可能性もある。
■『久保の注目ポイント』
マドリードを拠点とするスペインメディア『as』に「久保とアレニャの効果は消えた」とするコラムが掲載された。その中では「すべての幻想は短期間で消えた」「ゴールの問題は解決せず、守備は以前より脆弱になった」と評されている。
また、バルセロナのメディア『Mundo Deportivo』でも「アレニャ・久保効果は薄れた」というコラムが掲載されている。マドリード側からもバルセロナ側からも同様の評価を与えられていることは、ゴールやアシストがなくともプレーの質を称賛される時期が終わったことを意味している。
それに、試合を重ねるごとに存在感が失われていることは紛れもない事実だ。
加入当初は繋ぐサッカーへの変革に乗り気だったチームメイトたちも、ビルバオに完敗したことでアラベス戦とセビージャ戦では安易なロングボールに回帰してしまった。
ボルダラス監督は久保とアレニャのために戦い方もシステムも変え、ここまで繰り返し信頼を口にしてきたが、降格圏との勝ち点差は5。この2試合では早々に2人を諦める交代を見せており、残留のために久保とアレニャをベンチに置く現実路線に戻すのは時間の問題だ。
こうやって序列が下がってゆく、という悪い流れに足を突っ込んでしまっている久保。ヘタフェで今後プレーする機会を得るためにも、レアルに直接アピールするためにも、この試合はラストチャンス同然とも言える。
久保は結果を出して未来を掴むことができるだろうか。