1つ目は、ユナイテッド側が迅速に対応したことだ。
試合が再開してすぐに、ユナイテッドの両サイドバックはウイングバックのように1つ高い位置でプレーするようになった。それだけでなく、センターバックのハリー・マグワイアがボールを持ったままラインを押し上げ、圧を強めた。
そして18分、左サイドバックのルーク・ショーのクロスボールを右サイドバックのアーロン・ワン=ビサカが決めた。左サイドからの揺さぶりは続き、25分には左ウイングのメイソン・グリーンウッドから右ウイングのマーカス・ラッシュフォードへボールが通って2点目が生まれ、これで試合は決した。
前半で4-0というスコアになったことは、数的優位に立った時の立ち振る舞い方がチームとして共有されていたことが大きい。様子を見ながら余裕たっぷりに攻めているうちにスコアレスドロー、という展開を回避することができればこういうスコアになる。
また、ユナイテッドはその後も攻撃を緩めず、弱者を徹底的に潰す姿を見せた。ドイツの絶対王者であるバイエルン・ミュンヘンのお家芸のようなこの無慈悲な勝ち方を、OBのギャリー・ネヴィルに「勝者のメンタリティがない」と苦言を呈されたチームが見せたことは大きい。
大差がついた2つ目の要素は、サウサンプトン側の姿勢だ。どん引きするのではなく、前に出る意欲を見せたのだ。