1人少なくなったことで4-4-1になったサウサンプトンは、ラインを整えはしたものの、守備でも相手陣内まで出て行った。結果として、そのやり方はユナイテッドをさらに攻めやすくすることになったが、あくまでも普通にプレーしようとするその姿勢は勇敢だった。

 4点ビハインドで始まった後半は5-4-0のシステムでトーンダウンしたが、それでもボールを得た時にはゴールを狙い、1点もののシーンを幾度も見せた。

 南野拓実のレンタル移籍先となったサウサンプトンだが、このように攻撃の姿勢を見せるチームであることは彼にとって大きなプラスだ。たとえ、それが守備が不得手であることに由来するものだとしても、南野にはプラスだ。

 しかも、ヤンケヴィッツが抜擢されたように、チームは新しい選手を使うことで悪い流れを変えようとしているタイミングだ。南野の出番がすぐに訪れることは間違いない。

 しかし、懸念もある。

 フラットな4-4-2で戦うサウサンプトンには、シャドーやトップ下といった2列目は存在しない。もちろん、偽9番、ということもありえない。

 南野のためにシステムをいじる、という可能性はない。この4-4-2はハーゼンヒュットル監督が好むシステムで、選手によって変わるものではなく、選手がその中で役割をこなすことになる。

 現時点で出場の可能性が最も高いのはテオ・ウォルコットが負傷欠場している2トップの一角だが、プレミアリーグの激しい展開の中で、南野が2トップとして通用するかどうかは未知数だ。

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