■ぜひ日本でプレーして次世代への伝承を

 長谷部は、今もドイツ・ブンデスリーガで輝き続けている。だが、「今シーズン限り」かどうかはさて置き、37歳という年齢を考えれば長谷部が現役としてプレーする時間がそれほど長くないのは確かであろう。

 そうであるならば、彼がドイツで身に着けてきたものはぜひ日本のサッカー界に還元しておいてほしいものだ。

 たとえば、フランクフルトを退団した後、Jリーグに復帰して1シーズンでも2シーズンでもプレーするという選択もあるのではないか。ピッチ上でのプレーはもちろん、身体を整え、心を整えるプロとしての向き合い方などは、若い選手にとって最高の手本となるだろう。

 何らかの形で、再び代表にも関わってほしいものだ。

 長く日本代表のキャプテンとしてプレーし、3度のワールドカップに出場した長谷部は2018年のロシア・ワールドカップを最後に日本代表から“引退”した。日本代表の活動でドイツと日本を往復するという“負担”がなくなったことが、最近のパフォーマンス向上につながっていることは間違いない。

 しかし、本当に引退してしまう前に、若い世代の日本代表選手たちにそのプレーぶりを伝えておいてほしいと思うのは僕だけだろうか? ロシア・ワールドカップ以降に代表入りした選手たち、たとえばDFで言えば冨安健洋などは長谷部とともにプレーした経験がないのだ。“世代間の継承”という意味で、まことにもったいないことだ。

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