■本職ボランチでの芸術的なプレーぶり
レバークーゼン戦の長谷部は走行距離ではチーム内で3番目だったというし、スプリント回数も多かったが、見ていると無理をして疾走しているような場面はほとんどなかった。優雅に、そしてバランス良く動いて、冷静に指示の声をかけながら本当に余裕をもってプレーしていたのだ。
必要ないところでは無理なスプリントをすることなく、プレーを見切ることができるのだ。そして、「ここぞ」という場面では最短距離をダッシュして相手の反撃の芽を的確に積んでしまう。無駄な動きがないので、90分フル出場してもパフォーマンスを落とすことはまったくなかった。“本職”のボランチでのプレーはまさに出色の出来、芸術的なと形容してもいいようなプレーぶりだった。
レバークーゼンでは売り出し中のMF、17歳のフロリアン・ヴィルツとマッチアップする場面が何度かあったが、間もなく37歳の長谷部はまったく遜色のない動きを見せていた。シャルケ戦でも、前節、シャルケが31試合ぶりに勝利を収めたホッフェンハイム戦でハットトリックを演じ、フランクフルト戦でも同点ゴールを決めて見せた19歳のアメリカ人FWマシュー・ホッペと競り合う場面があったが、長谷部は年齢を感じさせない体のキレを見せていた。