■20年の躍進から主力を大量に引き抜かれ…
オフの移籍市場から新シーズンを占う「J2のミカタ特別編」では、J2チームの補強を定期的に査定していく。第2回目は昨シーズン5位のギラヴァンツ北九州、同11位のアルビレックス新潟を取り上げる。
20年シーズンのギラヴァンツ北九州は、J2リーグを大いに盛り上げた。J3からJ2へ4シーズンぶりに復帰し、前線からの激しいプレッシングを武器に前半戦を首位ターンした。最終的には19勝8分15敗で5位に終わったものの、小林伸二監督のチームは大きなインパクトを記した。
その結果として、北九州の選手たちは他クラブから熱い視線を注がれるようになった。
昨シーズン終了を待たずに、サイドアタッカーのMF椿直起が期限付き移籍満了となった(20年12月に所属元の横浜F・マリノスからオーストラリアのメルボルン・シティへ期限付き移籍)。シーズン終了後にはJ2得点王ランキング2位のFWディサロ・燦・シルヴァーノがJ1の清水エスパルスへ、7得点7アシストのFW町野修斗がJ1の湘南ベルマーレへ、FW鈴木国友が松本山雅FCへ完全移籍した。2トップを担当してきた3人を、まとめて失ったのである。
中盤から守備陣もごっそりと引き抜かれた。松本から期限付き移籍のGK永井堅梧が清水へ、キャプテンでCBの川上竜がSC相模原へ、左サイドバックの福森健太がJ1の大分トリニータへ、ボランチの國分伸太郎が大分からの期限付き移籍満了に伴いモンテディオ山形へ完全移籍した。さらに、ボランチの加藤弘堅が東京ヴェルディへ、ボランチと右サイドを担当したMF藤原泰哉がアルビレックス新潟の一員となった。
期限付き移籍の多いチーム編成のため、オフのたびに選手の入れ替わりが激しくなるのは避けられない。しかし、J2昇格1年目で5位に食い込んだインパクトが、主力選手の大量流出につながった。