サッカー全国高校選手権と「新たな武器」(3)ロングスロワーが増えた理由の画像
青森山田D F内田陽太のロングスロー 写真:西村尚己/アフロスポーツ

※第2回はこちらより

第99回全国高校選手権大会は1月11日、11大会ぶりの優勝を目指す山梨学院と、2大会ぶり3度目の日本一を狙う青森山田が、決勝(埼玉スタジアム)で相まみえた。キックだけでなく、スローインもゴール前に放り込まれる、迫力に満ちた壮絶な戦いは、2-2で突入したPK戦を山梨学院が4-2で制し、全国の頂点に立った。

 ■ロングスロワーが増えた理由

 ところで、最近になってロングスローを武器とするチームが急に増えてきたのはなぜなのだろうか。

 それは、ロングスローを投げられる選手が増えたからであり、要するにボールが飛ぶようになったことによる。

 昔の天然皮革のボールの時代にはロングスローを投げるのはかなり難しいことだった。

 大変古い話で恐縮だが、1968年に日本代表がメキシコ・オリンピックで銅メダルを獲得した頃、日本代表の守備的ハーフ(今でいえばボランチ)に小城得達という選手がいた。東洋工業の日本サッカーリーグ(JSL)4連覇の立役者の一人でもある。

 その小城がロングスローで有名だった。

 だが、当時は「ロングスロー」といっても小城の手から放たれたボールは放物線を描いてふらふらとペナルティエリア内のニアサイドに落ちる程度のものだった。

 ロングスローは、距離が出たとしてもスピードが遅いのではあまり強力な武器にはならない。ここ最近の若い選手たちが投げるスローインは本当にスピードがあって、CKと同じくらいの威力があるのだが、昔はそんなボールを投げられる選手はいなかったのだ。

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