ウルブスの守備は、リバプールを相手にしたWBAのものとは違い、カウンターを発動させるためのものだ。無理して食いつくのではなく、割り切って中央を固めた守備でボールを弾き返し、アダマ・トラオレが強烈なフィジカルとスピードでラグビー選手のように一気にボールを前に運ぶ。
ポグバが大人しかったのは、それが関係している。
外にボールを回すしかなくなったユナイテッドは左サイドバックのアレックス・テレスのクロスに頼らざるを得なくなったが、彼はトラオレと対面するポジションだ。そして、同サイドの前線にいるマーカス・ラッシュフォードは守備に戻らない。そうなると、テレスが上がっていくために、ネマニャ・マティッチがトラオレの担当に回ることになる。マティッチと2人でセンターを担当するポグバは、トラオレ以外の全スペース担当となり、むやみに攻撃に参加することはできなくなった。
結果、トラオレを封じられたウルブスと、攻め手がなくなったユナイテッドの我慢比べが続くことになった。