1月1日に決勝を迎える天皇杯。第100回という記念の大会は、異例な形での開催となった。
決勝で激突するのは川崎フロンターレとガンバ大阪。例年とは異なり、コロナ禍でのJリーグの超過密日程を受け、J1の上位2チームが準決勝、J2、J3の優勝チームが準々決勝から登場するという形に変更された。
27日の準決勝では、J1優勝の川崎とJ3優勝のブラウブリッツ秋田、J1で2位のガンバ大阪とJ2優勝のヴォルティス徳島が対戦。
川崎の本拠地である等々力競技場で行われた一戦は、今シーズン限りでの引退を発表した中村憲剛へのメッセージであふれていた。
今季28試合無敗という驚異的な記録を達成した秋田に対し、“絶対王者”ともいうべき成績でJ1を制した川崎は、王道の試合ぶりを見せつけた。
序盤こそ秋田の本領ともいうべき堅い守りに攻めあぐねていたものの、39分に大島僚太のスルーパスから、ルーキーながらMVP級の働きを見せた三笘薫がゴール。
83分には田中碧が直接FKを決め、2−0とする。
そして、その3分後の86分に大島に代えて中村憲剛が登場すると、本当に最後の最後のホームゲームとなる等々力は、チームのバンディエラへの歓声で揺れた。