■ダブルボランチは徳島の主将と長崎のブラジル人のコンビに

ボランチ 岩尾憲(徳島) 42試合出場6得点

 誰がベストイレブンを選んでも、彼が漏れることはないだろう。全42試合でピッチに立ち、37試合にフル出場している。攻撃の組み立てから崩しまでに関わり、優れた状況判断でボールを的確に展開していく。ボール奪取能力に優れながら警告は2度だけで、ハードでありながらフェアなプレーを実践した。彼抜きに徳島の優勝は考えられず、MVPにも選出。

ボランチ カイオ・セザール(長崎) 40試合出場6得点

 長崎でコンビを組んだ秋野央樹小西雄大(徳島)、前寛之(福岡)、藤田譲瑠チマ(東京V)らもチームを支えたボランチだが、一気に能力を覚醒させた意味で選出。ボールを奪う、保持する、運ぶ、というプレーをハイレベルにこなし、貴重なゴールも決めた。長崎がJ1に昇格していたら、秋野とともにダブルMVPだっただろう。J1川崎フロンターレへの復帰濃厚も頷ける。

右MF  遠野大弥(福岡)41試合出場11得点

 福岡では2トップの一角で起用されていたが、フアンマ・デルガドとコンビを組む場合はタテ関係になることもあり、このメンバーでは右MFとした。JFLのHondaからJ1の川崎Fに引き抜かれ、すぐに福岡へ期限付き移籍した今シーズン。アグレッシブな仕掛けと迷いのないシュートでFWの軸となり、チームトップの11得点をマーク。守備のスイッチ役も果たした。

左MF 西谷和希(徳島) 42試合出場8得点

 2列目では渡井理己(徳島)、高橋大悟(北九州)、名倉巧(長崎)、渡邊凌磨(山形)らも印象深いが、全試合出場で8得点7アシストを記録した西谷は、シーズンを通して対戦相手の脅威となった。東京Vとの開幕戦で記録したハットトリックは、栃木から移籍1年目の彼自身はもちろんチームにとっても、非常に価値のあるものだっただろう。

FW ピーター・ウタカ(京都) 40試合出場22得点

 シーズン終盤は6試合連続無得点に終わったものの、自身2年連続にしてリーグ唯一の20得点以上を記録し、16年のJ1得点王に次ぐ個人タイトルを獲得した。36歳になったがフィジカル的な衰えは感じさせず、ゴール前での力強さとシュート力、それに冷静さは得点王にふさわしい。

FW 垣田裕暉(徳島) 42試合17得点

 得点数ではディサロ・燦・シルヴァーノ(北九州)に1点劣るものの、優勝した徳島の得点源としてフル稼働したことを評価。41節の大宮戦では、2位以内を確定させる決勝ヘッドを決めた。長身を生かしたポストプレーと空中戦に加え、相手DFに競り勝ってのワンタッチゴールも増やしていった。西谷和希、渡井理己、杉森考起鈴木徳真らが2列目で躍動できたのも、垣田が攻撃の基準点となったからだろう。

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