2020年ACL(AFCチャンピオンズ・リーグ)に初出場したヴィッセル神戸は、VARでゴール判定を覆されて準決勝の蔚山現代(ウルサン・ヒュンダイ)相手に力尽きた。いつか見た光景だ。またしてもアジアの大会で、VARが優勝の行方を左右する介入を行った――。
■最終節のFC東京とヴィッセル神戸
12月19日のJ1リーグ第34節。東京・調布の味の素スタジアムではFC東京対ヴィッセル神戸の試合が行われた。
拮抗した勝負は、85分のFC東京のゴールで決着した。三田啓貴の左からのFKを永井謙佑が頭でつなき、最後はジョアン・オマリが再び頭でフワッと浮かせて決めたものだった。
ジョアン・オマリは前半の27分にもCKから強烈なヘディングシュートを放っていた。ボールはクロスバーの下に当たってゴールライン上でバウンド。ゴールラインを越えていたようにも見えたが、ほんの少しだけラインにかかっているようにも見える微妙なもの……。判定はノーゴールだったが、FC東京としてはゴールラインテクノロジーか、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が欲しかったことだろう。
2020年からJ1リーグで導入されるはずだったVARは新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で取り止めになったが、来年にはいよいよJ1リーグでもVARによる判定が始まることになる。その運営に注目したい。
VARはうまく使えばサッカーをより公正、公平なものにできる。だが、ひとたび使い方を誤ればサッカー特有のリズムを台無しにしてしまったり、試合結果を左右し、後味の悪さを残すことになってしまう。