■オウンゴールのお国柄

 ゴールの枠内に飛んだボールのディフレクションで得点になったときにはゴール、枠を外れていたシュートに守備側の選手が触れてゴールにはいったときはオウンゴールとするという点では世界共通のようだが、ゴールポストに当たって跳ね返ったボールがGKの背中に当たった場合など、国によって見解が違うケースもある。

 自チームの得点か、相手チームのオウンゴールか、1点は1点なのだが、こだわるチームもある。2002年ワールドカップで8得点を挙げ、得点王になったのは優勝したブラジルのロナウド。しかしそのなかの1点、コスタリカ戦の先制点は、当初コスタリカDFルイス・マリンのオウンゴールと発表された。しかしブラジルサッカー協会がアピール、ロナウドの得点に変更された。左から入れられたボールにスライディングしながら2人が競ったケース。どちらの足に当たったのか、映像を見ても明確にはわからなかった。

 オウンゴールには、レバークーゼンのフラデツキーのように、通常ではありえない間が抜けたようなものもある。キャッチしたボールを味方に送ろうとして投げ損ない、自分のゴールに入れてしまったGKもいる。GKに向かってのバックパスがコミュニケーションミスでGKの逆をついてしまい、ゴールに転がり込むということもときどき見かける。

 しかし一方で、井原のように懸命に守ろうとした結果というケースも多い。サッカー史上最大のショックを与えたオウンゴールを決めてしまったコロンビア代表のアンドレアス・エスコバルのケースもそうだった。

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