日本列島の年末年始は“カップ戦の季節”である。リーグ戦をたっぷり楽しんだあとも、存分にサッカー観戦三昧の日々を送ることができるスケジュールになっている。まずは天皇杯を中心に、見どころを解説しよう。
■最終節までもつれたリーグ戦
12月の中旬を迎えてJリーグは残り2節(J3は1節)を残すだけとなった。J1リーグ(川崎フロンターレ)とJ3リーグ(ブラウブリッツ秋田)の優勝は早々に決まってしまったが、J1の上位争いとJ2の優勝および昇格、そしてJ3からJ2への昇格を巡っては最終節までもつれそうな状況だ。
そして、Jリーグが終了すると日本のサッカー界はカップ戦の季節に突入する。
各年代別、大学、高校の男女の大会の大会が目白押し。12月下旬から1月の前半にかけてはほぼ毎日何らかの大会が開催されることになる(しかも、今シーズンは新型コロナウイルスの関係でJリーグYBCルヴァンカップ決勝が正月早々の1月4日に繰り込まれた)。冬の寒さが厳しい時期に毎日のように2試合分の4時間も屋外で座って観戦するのは苦痛でもあるが、またカップ戦ならではの楽しみも多い。
そうした数あるカップ戦の中でも最大の注目はやはり天皇杯全日本選手権大会であろう。
今年の全日本選手権大会は第100回の記念大会であり、本来なら大々的に開催されるべき年度だったのだが、新型コロナウイルス感染の拡大の影響によってJリーグからは準々決勝以降に4チームだけが登場するという変則的な大会になってしまった。だが、各カテゴリーのリーグの代表が競う大会としての興味は尽きない。
そこで、今回は天皇杯の注目点などを取り上げたい。そして、女子の全日本選手権大会である皇后杯についても簡単に触れたい。こちらは、2021年のプロリーグ(WEリーグ)発足を目前に控えた中での皇后杯である。