■相似形だからこそ、違いが際立つ日韓サッカー

 そんな古い歴史を考えても、韓国のサッカーが日本に近いものであることは当然だ。また、第二次世界大戦後には独立国となった韓国代表と日本代表は激しい戦いを繰り広げてきた。

 つまり、日本と韓国のサッカーは相似形の関係にあるのだ。そして、近いものであるからこそ、互いの相違を浮き彫りにすることもできる。中国との対戦とは違って、韓国と対戦すれば、内容的にも高いレベルの試合ができるし、これからも近隣のライバルとして切磋琢磨していくべき相手ということができるだろう。

 今回のACLでは、Kリーグで4連覇を決めたばかりの韓国の絶対王者、全北現代モータースは新型コロナウイルスの影響などで参加できない選手がいたということで、意外にも覇気のない内容の試合をして敗退してしまった(Kリーグは11月1日に全日程を終了しており、試合間隔が開いたことがかえって悪影響を受けたのではないか)。

 しかし、蔚山現代がFC東京を破った試合などは本当に力強いもので、また交代で次々と好選手が出てくるあたりも「さすが韓国」というべき試合ぶりだった(もっとも、この時のFC東京はすでにディエゴ・オリヴェイラ不在だった)。

 せっかく近くにこれだけのサッカー強国が存在するのだ。かつてのような日韓定期戦を復活するなど、もっと交流する機会を増やしていくべきではないだろうか。

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