35分にPKで湘南に追いつかれ、1-1のイーブンな状態で迎えた後半だったが、湘南の出足が鋭く、一進一退の攻防が続く展開に。その空気を破ったのが、やはりパトリックだった。
66分、鮮やかな連携から左サイドを崩すと、DF藤春広輝がクロス。これを、パトリックが頭で合わせ、値千金の逆転弾を決めたのだ。湘南GK後藤雅明が必死に手を伸ばしても届かない場所への軌道で、J1通算200試合出場の貫禄を見せつけた。
1点目のアシスト、2点目の競り勝ってのヘディングシュートだけでなく、この日、GK東口順昭からのゴールキックはほとんどがパトリックを狙ったものだったが、その都度、空中戦に勝ってみせた。それだけでなく、前線でその強靭なフィジカルを生かしてボールをキープし、時には低い位置まで戻ってチームを助けた。その動きは、得点だけを狙うエゴイスティックなストライカーのものではなかった。