ジダン監督は2トップシステムを巧みに使える指揮官ではない。それがヨヴィッチやマリアーノのプレータイムが増えない遠因だ。今季については【4-3-3】【4-2-3-1】を頻繁に使用している。直近の3試合(ビジャレアル戦、インテル戦、アラベス戦)ではマリアーノが先発起用されたものの、ベンゼマの負傷がなければそのような状況は生まれなかっただろう。

 マドリーはこの夏にベイルをトッテナムに、ハメス・ロドリゲスをエヴァートンに放出した。「ジズー」には不思議なところがあり、自身の考えやフィーリングに合わない選手は頑なに起用しなくなる。ただ、マドリーはヨヴィッチとマリアーノの獲得に相応の移籍金を支払っている。ヨヴィッチに移籍金6000万ユーロ(約72億円)、マリアーノに移籍金2150万ユーロ(約24億円)だ。費用対効果という点では、その回収ができているとは言い難い。

 勝てなければ、批判される。それがビッグクラブの常であり、レアル・マドリーというクラブの宿命だ。その中で、ジダン監督はピースを探し続けている。

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