■家長欠場は川崎に痛手だった
しかし、この試合の前半の守田はボールを奪われないようにするしかなかった。なんとか前にボールを送りはしたが、その先にいる長谷川竜也や齋藤学は相手の守備範囲の中にいるままなので、ドリブルでもパスでも相手にボールを引っかけてしまうことが多発した。川崎であろうとも苦しい時間帯はどの試合にもあるが、そういう時は家長昭博がボールとチームの両方を落ち着かせるプレーをしてきた。しかしその家長はこの日は欠場で(理由は不明)、川崎はいつも対戦相手がそうしてしまうように、精度が低くなった長いボールを蹴らされてボールを奪われる展開に陥ってしまった。
谷口彰吾が退場し、守田がセンターバックの位置に下がってから、1人少ないはずの川崎がようやくリズムを取れるようになった。それでも大分は守り切ろうとするだけではなく、追加点を狙った。三笘薫や田中碧らを投入され、一時的に危険な場面が増えても最後までアグレッシブに戦い抜いた。片野坂知宏監督が17日間の準備期間で用意したプランを、選手たちがしっかり実行した。4チームが降格となる来シーズンに向けて大きな自信を手にしたことは、目の前でシャーレを掲げさせなかったこと以上に重い。
契約の更新が発表された指揮官と共に、大分の冒険は続いていく。