ホーム最終戦セレモニーの最後に神戸讃歌が流れ、サポーターが色々な思いをひとまずしまってタオルマフラーを掲げてチームをACLに送り出してくれると、アンドレス・イニエスタは深々と頭を下げた。他の選手・スタッフたちが頭を上げても、まだそのままの姿勢を保っていた。
3日前の試合後も、ペコッとお辞儀をして歩き出す選手が多い中で、イニエスタはやはり深く、そして長く頭を下げていた。セルジ・サンペール、酒井高徳、古橋亨梧もそうだった。
イニエスタは交代でピッチを去る時にもお辞儀をする。ダビド・ビジャもそうだった。郷に入れば郷に従え、で異国の風習を理解し、自ら溶け込もうとした。だから、お辞儀で何を伝えることができるのかを本人はわかっている。シチュエーションが違えば意味が変わることや、深さや長さが何を表すことになるのかを知っている。
3日前もこの日も、早々に頭を上げた人たちは、その姿を見て何を思っただろうか。