■「受けたい位置で素晴らしいボールが来た」と久保建英
57分に3バック右サイドの植田直通からパスを受け、1トップの南野拓実にタテパスを通す。久保建英を経由したボールは左サイドへわたり、長友佑都に代わって出場したばかりの原口元気がゴール前へクロスを入れる。逆サイドから入り込んだ室屋成のシュートはワクを逸れたものの、遠藤のタテパスが攻撃のスイッチとなり、これだけの選手がボールに絡んでいった。
南野がPKを獲得した61分のシーンも、起点となったのは背番号6である。
センターサークル内でボールを受け、DFラインと中盤のラインの間にポジションを取る久保へパスをつける。
「遠藤選手から自分が受けたい位置で素晴らしいボールがきて、南野選手のいい動き出しがあったので、パスを出すだけでした」と振り返ったのは久保だが、遠藤から久保にパスが入った時点で勝負アリである。久保は滑らかにスルーパスを出すと、フリーで抜け出した南野がGKの反則を誘ったのだった。PKは南野が突き刺し、日本は先制点を奪った。そのまま1対0で勝利を飾ったのだった。
効果的なタテパスでチームの攻撃力を引き出しながら、遠藤はディフェンスでも要所を締めた。慌てるような素振りを見せることもなくスペースを埋め、デュエルに挑み、奪い取ったボールをしっかりとつないでいった。
10月に対戦したカメルーンとコートジボワールに比べれば、パナマは実力の落ちる相手だった。18年のロシアW杯メンバーが4人先発している一方で、国際Aマッチ出場が5試合以下の選手が5人いた。ブンデスリーガ1部でデュエルの勝利数が最多の遠藤なら、余裕をもってプレーできることに驚きはないのだが、それにしても別格の存在感を見せつけた。