「タテに入れればチャンスになるのは分かっていた」
ピッチ上の色彩を、鮮やかに塗り替えた。ピッチに立ったのは後半からだったが、遠藤航はマン・オブ・ザ・マッチと言ってもいい存在感を示した。
11月13日、オーストリア・グラーツのメルクール・アレーナで行なわれた日本対パナマ戦は、両チームともにスコアレスでハーフタイムを迎えた。
日本代表の森保一監督は、10月の2試合に出場しなかった選手、出場時間の短かった選手を多く起用し、システムも3-4-3を採用した。練度の高いチームで戦っているわけでないだけに、機能性を欠いた部分はあっただろう。1か月ぶりの試合でもある。
それにしても、森保監督が言うところの「連携、連動」はいまひとつだった。厚みのある攻撃は散発に過ぎなかった。
森保監督は後半開始とともに、ダブルボランチの一角を入れ替える。橋本拳人を下げ、遠藤を送り出した。
ドイツ・ブンデスリーガのシュツットガルトで取り替えの効かない選手となっている27歳は、「タテに入れればチャンスになるのは分かっていた」と話したように、最終ラインをサポートしながらビルドアップに顔を出し、相手の守備ブロックの間へタテパスを刺し込んでいく。
試合の流れが、変わろうとしている。