■地下鉄の中で、気が付いたらスマホがない!

 この時の欧州までの往復にはエティハド航空を利用しましたが、アブダビでのトランジットも含めて成田出発からブリュッセル到着まで21時間かかりました。ブリュッセル国際空港からは一般バスに乗って、途中でメトロに乗り換えて中央駅そばのホテルに向かいます。ブリュッセル国際航空から市内に向かうバスに乗っていると、途中に「NATO(北大西洋条約機構)」などというバス停があってびっくりします。

 さて、メトロに乗ってから何度かスマートフォンを取り出して乗り換えなどをチェックしていました。そして、何度目かにスマートフォンがなくなっているのに気付きました。落としたのか、それともすられたのか。

 不覚です! やっぱり、眠かったせいでしょうね……。

 まあ、かなり使い込んだスマホでキズなんかもあったので「そろそろ買い替えかな」と思っていたところでしたから諦めることにしよう……。そう、自分を慰めながらなんとかホテルに到着しましたが、朝早かったのですぐにはチェックインできません。

「そうだ、それなら今のうちに警察に行っておこう!」

 警察に行ったからといって、スマホが出てくるとは思えませんが、盗難証明書をもらっておけば後で役に立つはずです。

 近くにも警察署はあるようですが、中央駅にはツーリスト・ポリスがあるようです。そちらの方が外国人の扱いに慣れているでしょうし、英語も通じるだろうと思ったので、ホテルに荷物を置いて中央駅に向かいました。

 警察は駅の隣のビルにあったのですが、看板も出ていないので入口を見つけるのにも一苦労。ようやく窓口にたどり着きました。

「これこれでスマートフォンがなくなって」と説明していると、担当の女性警察官が出てきました。30歳くらいの知的な女性でした。

 それで、また英語で説明していたら、「どこでなくしましたか?」と日本語が返ってきました。ネイティブの日本語ではありませんが、文法的に正確な中級程度の日本語で、コミュニケーションにもまったく困難はありません。

 なんでも、日本の警察との交流計画があって、どこか関西の警察に出向していた経験があるんだそうです。

「これに書き込んでください」

 彼女が取り出した盗難届を見ると、この書類もなんと日本語でした! きっと犯罪に遭う日本人観光客が多いんでしょうね。

 さて、帰国後に携帯ショップに行ってこの証明書を提示したら、保険が適用されて同機種の新品と無料で交換してもらえました。「ラッキー、新品が手に入った!」

 昔だったら携帯をなくしたら電話帳が消えてしまって大騒ぎするところでしたが、今はクラウド・サービスによってそういった情報もすべて簡単に復元できます。まったく便利な世の中になったものです……。

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