■好調の磐田が首位の徳島に挑んだ
完成度の違いが、くっきりと映し出された。
今シーズン5度目の5連戦、その2試合目となる第31節が、11月4日に開催された。
注目カードは徳島ヴォルティス対ジュビロ磐田である。ここでの主語はホームの徳島ではなく、アウェイの磐田だっただろう。遠藤保仁の加入後は4勝2分と調子を上げている磐田が、首位を走る徳島を止めることができるか、という視点で注目を集めた。
結論から言えば、徳島の快勝だった。
14分、1トップの垣田裕暉のDFラインの背後を取る動き出しと、トップ下の渡井理己のスルーパスがシンクロする。足元にピタリとボールを収めた垣田は、「GKが見えていたので、落ち着いてかわすことができた」と振り返ったとおり、流れるようなボールタッチからゴールへ流し込んだ。
直後の16分、徳島は左CKから同点弾を喫する。しかし、21分に再びリードを奪う。
右サイドから藤田征也がクロスを入れると、ゴール前の西谷和希がDFと競り合いながらボールをコントロールし、左足のフィニッシュにつなげる。コースを突いたシュートが、ゴール右に吸い込まれた。
2対1とリードした時点で、徳島のボール支配率は57パーセントだった。ところが、10分後には49パーセントと劣勢に引っ繰り返される。それでも、試合の主導権は渡さない。前半のシュート数は5本にとどまったが、磐田にも3本しか許さなかった。